2020/07/09 14:54
こんにちは。
ビールの歴史や作り方に興味のあるグラッフィックデザイナーmugikoです。
今回はビールの種類についてお話しします。
ビールの種類は発酵の仕方によって3種類あります。
発祥の古い順からランビック、エール、ラガーです。
この3種類のなかでも作り方や材料によってさらに細かく、スタイルというもので分類されています。
(ピルスナー、スタウト、ペールエールなど)
各スタイルのなかでもさらに銘柄というもので分かれています。
(アサヒスーパードライとかキリン一番搾りとかです。)
ランビック(自然発酵)
☆代表的なスタイル:ランビック、グーズ、クリークなど
培養した酵母ではなく、醸造所の中や周辺に棲息する野生酵母を使って発酵させる。
ドライで、ワインやシードルのようなわずかな酸味という特有のフレーバーがビールに加わります。
エール(上面発酵)
☆代表的なスタイル:ペールエール、ブラウン・エール、スタウト、ポーターなど
培養したエール酵母を入れて発酵させる。
常温(15~25度)で発酵する。
エールという呼び名は、1世紀ごろのイギリスで穀物酒の呼び名として使われたのが始まりです。
発酵する過程で酵母が上面に浮いてくるという特徴から、上面発酵と呼ばれています。
エールビールの製造方法は、おもにイギリスで発展したものとされています。
フルーティで豊かな香りと深い味わいが特徴です。
ラガーが誕生し世界中に普及するまではエールが主流でした。
今でもエール発祥の地イギリスではエールビールがメジャーなビールとなっています。
1697年になるとビール麦芽への課税が始まったため、
麦芽を減らしてホップを増やした「ペールエール」が主体になってきました。
「ペール」とは英語で「淡い・薄い」という意味で、
もともとイギリスで主流であったエールよりも色合いが薄いという違いがあったため、
このように呼ばれています。
(現在主流のラガーの代表スタイル、ピルスナーよりは色が濃いです。)
1722年には古いブラウンエールと新しいブラウンエールとペールエールの3つを混ぜた
「ポータービール」が生まれます。
1778年には、ギネス社が「スタウトポーター」を発売。
やがて、現在のスタウトと呼ばれるようになります。
スタウトは、「強い」という意味で、麦芽ではなく大麦を黒くなるまで焙煎して使っており、
黒みがかった深い色合いが特徴です。また、ホップもポータービール以上に使用しています。
ラガー(下面発酵)
☆代表的なスタイル:ピルスナー、デュンケル、シュヴァルツなど
培養したラガー酵母を入れて発酵させる。
冷蔵(通常約10℃前後)で発酵する。
下面発酵で作られるビールは長期熟成を行うため、
貯蔵を意味するドイツ語から「ラガー」と呼ばれています。
発酵する過程で酵母が下面に沈むという特徴から、下面発酵と呼ばれています。
大量生産に向いているため、世界で主流のビールになりました。
スッキリとして飲みやすい。ゴクゴク飲めて喉越しを楽しむビールです。
日本で流通しているビールのほとんどがこのラガービールで、その中でもピルスナーというスタイルです。
エールが古くから伝統的に造られていたのに対して、
ラガーは15世紀に生まれた比較的新しいビールで、
ドイツ・バイエルン地方が発祥だと言われています。
ラガーが登場する前、中世のエール醸造は、腐敗の少ない冬に行われていましたが、
エール酵母は低温すぎると発酵が進まないため温度管理が悩みの種でした。
しかし、15世紀になると、低温で発酵が進む事例が発見され、天然の氷とビールを洞窟で春まで貯蔵する方法が生まれます。
これがラガービールの原型です。
ラガービールはバイエルンのローカルビールとして発展していきます。
ラガービールの中でも、キングオブビールとも呼べるピルスナーは1842年にチェコのピルゼン地方で誕生しました。
ブラウン色のビールが一般的な時代に、淡い黄金色でスッキリとした味わいのピルスナーは大人気になりました。
上記の発酵方法を合わせて造った複合発酵というものもあるようです。