2021/04/21 09:37
前回はビールのテイスティングの基本となる用語をご紹介しました。続いて、実際にビールのテイスティングをしてみましょう。
ビールのテイスティングの準備
ビールのテイスティングに必要なのは、透明なグラスとビールだけ。テイスティングの練習にはお気に入りのビールより、いままで飲んだことがないビールの方が適しているかもしれません。
テイスティング用に、普段のビールよりちょっと高級なビールを試すのに絶好の機会でしょう。1種類ではなく、2~3種類のビールを用意して比較しながらテイスティングを行うのもおすすめです。
また、テイスティングで感じたことを書き出すペンとメモもあると良いですね。メモを取りながらテイスティングの回数を重ねれば、テイスティングの要領をつかむのも早く、オリジナルのビール図鑑も作成できますよ。
ビールのテイスティングの手順
まずはグラスにビールを注いで外観を観察します。続いて口に含む前に香り(アロマ)を嗅いでみましょう。
次にいよいよビールを口に含みます。舌の上でビールを転がし、口に入れたときの口当たり・香りや味を確認します。口内にビールが沁み渡ったら、ごくっと飲み込み、のど越しをチェックします。飲み込んだ後の後味もテイスティングのポイントです。
ビールのテイスティングは、一人でやってみるのも楽しいですが、友人や家族と意見を交わしながらワイワイやるのも楽しいでしょう。テイスティングの工程に、それぞれどのようなポイントがあるのか紹介します。
1.外観
数種類のビールを比較したとき、それぞれの個性や差が出るのが外観です。グラスに注いだビールの色・濁りの濃度はビアスタイルを見極めたり味を予想したりする良い判断材料になるでしょう。
また、ビアスタイルやメーカーによって、泡の質や泡持ちも異なります。泡の細かさや泡立てやすさも評価のポイントになります。
グラスと目線を同じ高さにして、泡の状態・液体の色、濁り具合を確認します。さらにグラスを持ち上げ、斜め下からビールを見上げるようにすると、泡のキメや濁り具合がわかりやすいです。
2.香り(アロマ)
相当なビール好きでも、ビールを口に含む前にアロマをかぎ分けるなんていうことは難しいものです。しかし、テイスティングを繰り返し試すことで、嗅覚だけで、ホップやモルト、エステルなど、アロマの個性をかぎ分けられるようになるそうです。
まずは試してみましょう。グラスの口に鼻を近づけ香りを嗅ぎます。食品などが出ていない状態で行うと香りを捉えやすいでしょう。
3.味・香味
ビールを口に含み、口当たりを確認したら、すぐにビールをのみ込まず舌の上で転がすようにして味を確認します。その際に鼻に突き抜けるような香りがビールの香味です。
時間にすると大体3~5秒ですが「しっかり味わう」ことを念頭に置くことで、ビールの苦みや酸味・甘味、味のバランスなどが感じられるでしょう。同時に、フルーティーさ(エステル)カラメル臭・スモーク臭など、ビール独自の香味も感じられるはずです。
4.のど越し
時間にして3~5秒ほど舌の上でビールを楽しんだ後は、顎を突き上げるようにして、のどにビールをあてるようにします。炭酸の強さやボディの強さ・厚みなどが感じられるでしょう。
ついにゴクリとビールを飲み込みます。喉から胃にビールが流れ込む感覚を味わい、そののど越し、後味を楽しみましょう。
ビールのティスティングは晩酌ついでも良いですが、少し余裕のある時に、食事とは別の時間を作って行うのがおすすめです。ワインや日本酒のテイスティングと同様にビールのティスティングでも大切なのは、五感をフルに使ってビールを楽しみ味わうこと。テイスティングを繰り返し行うことで個々のビールの個性や奥深さに気づけるようになるでしょう。
BEERTIFULでは引き続き、ビールのティスティングにまつわる用語を紹介していきます。楽しみにしていてくださいねー。