2020/07/03 13:55
はじめまして。
ビールの歴史や作り方に興味のあるグラッフィックデザイナーmugikoです。
今回はビールの発祥についてお話しします。
Q.最古のビール発祥の地はどこ?
A.実は発祥当時の記録がないので正確にはわからない。
人間が定住生活をし穀物の栽培を始めた頃に
麦粥を放置していたら自然に酵母が入り発酵したのではないかと言われています。
記録されている中で一番古いのは紀元前8,000〜3,000年頃
メソポタミア(現在のイラクの一部)のシュメール人によって、
粘土版のくさび形文字で、当時の醸造方法が書かれています。
気温が高く、菌が繁殖しやすいこの地域では
生水が飲めなかったこともあり、安全で栄養価の高い飲み物と重宝されていました。
ではシュメール人が造ったのでは?とも思いますが
シュメールくさび形文字で書かれた石板だけではなく、
違う系統の文字で記録された粘土板も見つかっているので
もっと古くにシュメール人にビール造りを教えた人がいる可能性も・・・?
Q.その頃のビールはどうやって造っていたの?
A.まずは、発芽させた麦(麦芽)を、乾燥させて粉にします。
この粉を使って焼いたパンを砕いて水を加えると、
野生の酵母が付着し、発酵が進みます。
そして出来上がったビールは固形物や不純物が浮いていました。
当時はろ過技術も発展していなかったので、
それらが浮いたままストローで避けながら飲んでいたようです。
今のビールとはちょっと違った感じですね。
Q.現代私たちが飲んでいるようなビールはいつから造られているの?
A.現代に近い製法によるビールは、紀元前6世紀頃ヨーロッパ北部の
古代ゲルマン人によって造られたと言われています。
メソポタミアやエジプトのように焼いたパンを使うのではなく、
麦汁を鍋で煮込んだものを、自然に入り込んだ野生の酵母の働きで発酵させていました。
この方法は、現在でもベルギーを中心に受け継がれており、
自然発酵(ランビック)と呼ばれています。
その後、1世紀のイギリスでエール酵母を入れて発酵させるエールが誕生し
15世紀には南ドイツでラガー酵母を使ったラガービールが誕生。
スッキリした味わいや大量生産に向いていることから世界中に広まりました。
19世紀後半には、60~80度の熱を一定時間加えることで殺菌する「低温殺菌法」を
パスツールが発見したので、安定した品質のビールを保存することができるようになりました。
現在スーパーや居酒屋にあるビールのほとんどはこのラガーなんです。
最近では日本でもラガー以外に豊かな味わいと芳醇な香りが特徴のエールも
飲めるようになってきましたね。
(ペール・エールとか、IPAとか、ビール好きなら一度は聞いたことあるような・・・)
ビールの種類についてはまた次の機会にお話しします!